Dobro Vecer !
ワインについては個人の感覚もありますが、もともとはお酒に対して、強くもなく、スペインワインやイタリアワインを飲んでも(勉強も足りなかったのですが)、あまり面白味を感じなかった自分がクロアチアワインのプラバッツ・マリ種を飲んでから、体に合うというか美味しいと思い、2008年にソムリエ資格まで取得しました。梅が好きなので、プラムの味わいがすごく体にフィットしたのかもしれません。クロアチアの
代表的なクロアチアワインを赤、白ともに紹介したいと思います。
クロアチアワイン分類
- 赤ワインのツルノ(黒という意味)・ヴィノ、
- 白ワインのビイェロ・ヴィノ、ロゼ
- デザートワインが造られています。
スーホ(Suho)がいわゆる辛口ワインで、ポル・スーホ(Polusuho)、スラトコ(Slatko)の順で甘口になっていきます。
クロアチアワインの等級
- クヴァリテトゥノ・ヴィノ(Kvalitetno Vino)……高級ワイン
- ヴルヒンスコ・ヴィノ(Vrhunsko Vino)……最上級のワイン
- プレディカートナ・ヴィナ(prdikatna vina)……ブドウ成熟度が高いワイン
- カスナ・ベルバ(kasna berba)……遅摘みブドウのワイン、一般的にアルコール度数は高め
- イズボルナ・ベルバ(izborna berba)……素材を厳選した遅摘みブドウのワイン
クロアチア赤ワイン
ディンガッチ Dingać
ディンガッチはクロアチア南部、アドリア海の真珠といわれるドゥブロブニク地方のペリェシャツ半島のディンガッチといわれる斜面で栽培されております。ビンテージによりますが、プラバッツマリという土着品種と使った独特ななんとも品の良いプラムの香りとどことなく、アドリア海の塩に香りがします。これを飲んだ時に土地によってワインってブドウなのに、こんな味になるんだと、ブドウ酒の域を超えるという感覚が分かりました。
プラヴァツ・マリはアメリカのジンファンデルの祖先です。ジンファンデルの祖先はイタリアのPRIMITIVOだという説もありますが、クロアチアのプラヴァツ・マリ説が有力です。アルコールが結構高いので、重口となっていますが、意外とすっきりつまり、味が暴れていないので、お酒が苦手だった自分がおいしいと思ってしまったのです。ろばのラベルでなんとなく、飾り気のないクロアチアっぽくてかわいいです。これには理由があって、昔はブドウを採取して、ろばに運搬をさせていたからです。

ポストゥップ POSTUP
ポストゥップはディンガッチの弟分と言えます。やはり、プラムの香りがします。ディンガッチより、まろやかでコクを感じたりして、いつも余ったの飲んでました。このワイン1000本くらい売った気がします。価格もディンガッチより若干安く、少し量産型なのですが、自信を持って売りに行けるワインでしたね。プラヴァッツ・マリはクロアチア語でPlavo=青い、Mali=小さいを語源とするドライフルーツ、ブラックベリやプラムなどの熟し、丸みのある感じがディンガッチより強いかなと思います。

イヴァン・ドラッツ IVAN DOLAC
イヴァンというとぺリシッチ、ラキティッチ、サンティニ、クラスニッチとたくさん、サッカークロアチア代表が出てきますが、個人的には同じ年で、肝臓病で引退してしまったクラスニッチが好きですね。
おっと、つい脱線してしまいました。失礼いたしました。それでは、ワインの話しに戻ります。しかし、イヴァンでイメージがつく通り??クロアチアの代表的な男性の名前のイメージがそのままワインになった、プラバッツ・マリを長期熟成した、ボルドー型の力強いワインです。イヴァン・ドラッツ(Ivan Dolac)があるのは、
アドリア海のフヴァール(Hvar)島

フヴァール島は、ダルマチアの島でも最も有名な観光地で特にラベンダーの栽培が盛んで、ラベンダー製品が販売されていています。クロアチア第2の都市スプリットからフェリーで1,2時間でフヴァール島へいくことができます。実は、日本の人気アニメ映画のモデルにもなったクロアチアは、1,000以上もの島を抱えています。(1185だったと思います)
アドリア海といえば「海」というイメージですが、実は陸地にも実は見どころたくさん。フヴァール島のスターリグラード平原は世界遺産にもなっています。売る時もメインの肉料理にパワー負けしないワインとして、切り札に出していました。豚のカシスソースとか、魚介のトマト、赤ワインソースなどに合います。ベースはプラバッツマリなのですが、フヴァールは世界有数の日照時間を誇りますので、ディンガッチのようなアドリア海の塩の香りとともに熱い太陽の力強さをじます。
バビッチ(Babić)
ダルマチア沿岸部の身近なテーブルワイン、ハウスワインを頼むと大量に消費されている。果実の味がよく、食用にも向く。栽培が容易であまり土地、天候を選ばないため、栽培者、栽培場所によって別のワインに思えるほど味に違いが出る。痩せた厳しい土地で栽培されたもののほうが味がよい。アルコール度数は高めで、ドライベリー系の香り。色が濃く、赤というより紫に近いです。

クロアチア白ワイン
まずはクロアチア人絶賛のグラシェヴィナとトラミナッツを紹介します。品種的ポジションを分かりやすく、
サッカークロアチア代表で例えると、
赤のプラバッツマリがモドリッチくらいで、
白のグラシェヴィナはラキティッチくらい有名です。
2大双璧ともいえるくらいかもしれません。
かなり分かりやすい例えだったと思います。個人的にはモドリッチ、クラニチャールであってほしいと思っていたのですがね。
お土産におすすめ!クロアチアワイン
*スーホが辛口で、ポル・スーホ、スラトコ(Slatko)の順で甘口になります。

グラシェヴィーナ Graševina
内陸で作られるワインなのですが、ドイツのリースリングにかなり似ています。調べてみると、ウェルシュ・リースリングと同じ品種です。このワインも1000本くらい売ったような気がします。オイリーで、アプリコットやメロンのようなジューシーで、非常に分かりやすく、ぐいぐい飲めてしまうワインです。ワインを初めて飲む方にもおすすめです。

最初は辛口ワインに、抵抗ある方はグラシェヴィナから入るとワインって美味しいと思って頂けるのではないかと思います。最初は、甘口の白ワインなどから入ってみるのも手ですよ。アドリア海側ばかり目を向けてしまうクロアチアですが、有名なプリトヴィッツェ国立公園があったり、内陸も観光はばっちりできますし、ワインも楽しめ、治安もよいですよ。どうしても内戦の影響があるので、なんとなく、灰色のイメージがありますが、西ヨーロッパより、治安はいいですし、アジア人をばかにしたところもないです。日本は滅多にいけない憧れの国なので、日本でクロアチア人にあったら、是非、Dobro dan !と声をかけてあげて下さい。

トラミナッツ Traminac
クロアチアはアドリア海にも面していますが、首都は内陸のザグレブで白ワインは生産されていたりするのですが、トラミナッツは限りなくセルビア国境に近いところに有名な生産地がありますよ。個人的には大好きな品種です2000円台前半で買えるので、まず外れないです。いつもは関内の葡萄屋で買ってます。ライチっぽ甘さもあるんですが、パイナップルを食べた時に酸味も感じて、バランスもいいんですよね。中華でコンビニでチャーハンと豚の角煮セットといっしょに食べたんですが、かなり合いました。軽い肉料理なら負けないパワーもあります。
https://www.wine-budouya.com/kannai/
トラミナッツはゲヴェルツトラミネルの祖先
クロアチアは文化的にもドイツともゆかりがあるので、サッカー選手なんかは地理的にも近い大きなリーグなので、ブンデスに行く選手は多いですね。

ゲヴュルツトラミネルはうすいピンク色の果皮をしていますが、この品種の原品種は淡い緑色をした”トラミナッツ”なんです。実はイタリア北部のトレンティーノ州)が故郷と言われています。進化がちょっと変わって、果皮にうすくピンク色の色素がついたのがGewurztraminerゲヴュルツトラミネルです。トラミナッツは赤白ワイン二つの要素を持ち、ライチやバラなど、これまた、ブドウの枠を超えた味わいに筆者はまた、これブドウなの?と感動してしまったわけですね。クロアチアというよくも悪くも世界標準化されていないとまだ、土着品種がたくさん残っていて、面白い個性が残っていたりします。グラシェヴィナとトラミナッツ飲むとかなり、クロアチアの白ワインの個性がわかります。

上記はクロアチア最東端にあるワイナリー、イロチュキ・ポドゥルミ
イロチュキ・ポドゥルミ(Iločki Podrumi)があるのはクロアチア最東端の街、イロク。イロクにあるセラー(貯蔵庫)」を意味します。その名の通り、大きなワインセラーを持つ生産者です。これ本当におすすめですね。
イロクはドナウ川流域にあり、クロアチアの隣町に接する三方向(※対岸を含む)をセルビア領に囲まれています。馬の蹄鉄のような形をしたクロアチアの、北東の一番端にある、古い小さな街なのです。
次は、ドブロヴニクでも、ザゴリエでもなく、違うエリアの白ワイン、マルヴァジアを紹介します。
マルヴァジア Malvazija はイストラ半島のワイン
ずっとダルマチア方面ばかり紹介していましたが、イストラ半島はクロアチア観光の中でも、まだ、スポットライトがあたっていないですが、限りなくイタリアに近い地方で、女性受けしそうな魅力ある地域です。

イストリア半島は半島内でも山間部、平野部、沿岸部、および周辺の植物相などによって、性質の異なる土壌がパッチワークのように入り混じっているため、イストリア半島のどこを産地とするかで、同じマルヴァズィヤ種のワインでも色、味わい、香りが異なります
「紅の豚」でポルコ・ロッソだったか忘れましたがセリフの中で「イストーリア」に行くぞ!と言っていることから舞台なのは、間違いないと思います。ちょうど、クロアチアの中でも、イタリア色の強い地方。ドゥブロヴニク、ザグレブと回ったら次はここですよ。穴場だと思います。クロアチアはくの字のような地形になっていますが、イストラのすぐ近くはトリエステとかありますから、イタリア色もある観光にはおいしい地域です。有名な観光地としては、
「港町ロヴィニ」
こちらは魔女の宅急便でキキがほうきに乗って”私ここに住む”といった時の街のモチーフになったといわれています。

古代ギリシャの名残の円形劇場です。

「天空の町モトヴン」

天空の城ラピュタみたいな街で、前に日本の民放でも放送していました。町の作り以外にもとっておきのグルメがあって、そればトリュフなんです。まさに宝みたいな町です。日本だと高級なイメージですが、ここではある種、地場産業みたいなものなので、安く手に入ります。
お店でクリームパスタにトリュフをかけて、よく出していました。かなり、濃厚で贅沢な一品ですよね。これはうまいですよ。そんなイストラのマルヴァジアは、クロアチア北部からスロヴェニア、イタリアなどでも広く栽培されています。花のような香りの中に苦味と酸味がある味わいで、最初の前菜と共におすすめの1本です。しかし、色から、味わいまで、いろいろなものがあるので、クロアチアのものが手に入らなかったら、イタリアのものも試してみてください。日本では買えないと思っていたら、なんと、クロアチアのマルヴァジアありました。”ヴェルダ イストリアーナ クロアチア”というワインです。

紅の豚のサントラを聴きながら飲みたいですね。かなり高級感ありますし。クロアチアのマルヴァジアを飲むって、ワインと地方としても、少しマイナーなので、日本人的にはかなり時代の先をいっていると思います。
新しい時代は、観光客もイストラになだれこむかもしれませんね。もしかしたら、若干旅路的に、ルートが開拓されていないところもあるかもしれませんが、これから、確実に旅行者が増えると思います。
ヴガヴァ(Vugava)
「ワインの女王」として名高いヴィス島のヴガヴァ(Vugava)。その歴史は古く、2000年以上前に古代ギリシア人によって伝えられたと考えられています。美しい金色に輝くヴィガヴァは非常にフローラル、豊かでほんのり甘い味わいが特徴的。シーフード料理やチキン、サラダと相性抜群で、食卓に華を添えてくれる贅沢なワインです
ヤンチャール Jancar
クロアチアのザグレブの南東に広がるワイン産地モスラヴィーナ(Moslavina)のシュクレット種はクロアチアにしか存在せず、このブドウがおもしろい色で、完熟時にオレンジがかった黄金色になり、赤みを帯びたソバカスのような斑点が出ることからドイツ語の「斑点」や「朱」を意味するシャーラが語源となり名前となったと言われています。軽めで鮮度を感じる瑞々しい味わい。生産者曰く「でしゃばらないワインなのであらゆる種類の食事と調和します」

最後に紹介するワインはモドリッチ出身の
ダルマチア原産の白ワイン“ポシップ” posip
ダルマチアが誇るプレミアムワイン。
コルチュラ島およびペリエシャツ半島で栽培されており、同じブドウで作っているのに、コルチュラとペリエシャツで全く風味が異なります。12年前は幻級でした。ワインの勉強を始めた時は店に行くとどれもこれも、シャルドネとかソーヴィ二ヨンブランとかで、世界的に標準化されてきていて、各国ワインコーナーにばかり興味があった筆者には面白みを感じませんでした。勉強もフランスワインとかイタリアワインとか最初は、興味があまりなかったので、配点が多くて、最初はかなり苦痛でしたね。。。最終的に奥深さが分かり、面白くなりました。
当時、そんなマインドで、クロアチア原産でしかも、ポシップという響きかなり、飲んでみたい!と思っていました。当時は売っておりませんでしたが。
コルチュラ島の原産

- コルチュラ島はマルコポーロの生まれた場所です。
ポシップは、アドリア海、ダルマチア地方で育てられているようです。
ダルマチアはダルメシアン発祥の地です。ダルメシアンはダルマチアのメシア(救世主)という意味ですね。 - 東方見聞録を書いたマルコ・ポーロはべネツィア出身とされていましたが、実はコルチュラ島出身です。島育ちだと逆により、世界に対する好奇心って強いかもしれませんね。
コルチュラ島はワインの生産地としても有名です。ポシップは島の内陸に入った村、スモクヴィツァが原産。クロアチアを代表するブドウ品種なので、サッカークロアチア代表で例えるなら、ポシップはブルサリコ、ロブレン、バデリくらいですかね。生産量がもともとかなり少ないので、いぶし銀なワインですよ。これに目をつけるってかなりクロアチアの中でもミーハーでないセンスのよさを感じます。トロピカルな香りは厚みがありながらも飲むとすっきり透明感を感じるありそうでない味わいですよ。これ本当にクロアチアらしさを感じます。生産者によってポシップもいろいろあるので、調べてみてくださいね。

同じくコルチュラ島の”グルク(Grk)”
コルチュラ島の固有種。コルチュラ島、およびペリエシャツ半島のごく限られた土地でしか生産されていない。松のような個性的な香りがあり、スッキリとドライ。バランスがよく、フルボディでパンチがかなりある合う人もいれば苦手な人も。生産量が少なく、コルチュラ島以外ではなかなか手に入りません。見かけたらトライしてください。

余談なのですが、ダルマチアのクロアチアの名産品のひとつとして蜂蜜もあります。一緒に働いていた女性がクロアチア観光に行くと必ずはちみつを買ってきていたのをよく覚えています。肌によい効果が特にあるのだとか、確かにその方、ご年齢にしては、白髪が1本もないなっと思っていました。そして、クオリティに対して安価です。クロアチア人は美人が多いですから、蜂蜜の一役かっているのかもしれませんね。
現地の少し変わったワインの飲み方、風習
クロアチアの若者の間では、赤ワインとコーラを混ぜた”べヴァンダ”や白ワインを炭酸水で割った”ゲミシュト”という飲み物も人気です。
クロアチアブドウ品種が五島列島へ移植
昨年からクロアチアのプラバッツ・マリ種やポシップを五島列島のある長崎県に植えるというプロジェクトがあるらしく驚いています。
自分の娘と同じ名前のクロアチアの山崎エレナさんという方が主導で始まっているらしいです。しかも、実際、五島列島の福江島の五島ワイナリーでクロアチアワインを紹介していました。五島列島についても書きますが、クロアチアが関わってきて、しかも、ワインとはびっくりです。是非、行って日本生まれのクロアチアぶどうを楽しんでみたい。

