Seawaybillは運送人が荷送人から運送品を受け取ったことを示す貨物受領証で、運送引き受けを条件を記載した運送契約として機能する書類です。コンテナ船の高速化で航海時間が短縮され、近海航路ではB/Lが銀行経由で荷受人に書類が届く前に、本船が目的地に到着するケースも発生し、一方で貿易取引もEDI化が進み、運送書類も電子化しやすい形式が求められており、欧米を中心にコンテナ輸送でSeawaybillが普及してきました。現在は航路によってはSeawaybillの発行件数がB/Lを上回っています。
そんな便利そうなSeawaybillにも長所と短所がありますので、ざっくり紹介します。
Sea Waybillの長所
運送人の引き取りに必要な書類ではないので、荷送人は荷受人に送る必要がありません。Sea Waybill の発行を待たずにインボイスや保険証券などの書類を荷受人に送ることができるので、揚げ地での通関、貨物引き取りがその分早くなることが期待できます。
紛失した場合もB/Lのような除権手続きや再発行、保証渡しといった煩雑な手続きは不要で、仮に第三者が取得しても荷受人にリスクはありません。
荷受人にとっての長所は？
揚げ地での引き取りに際してSeawaybillの差し入れが求められないので、運送品が到着次第引き取ることができます。B/Lでは近海航路で貨物の方が先に届くとB/Lがの遅延で引き渡しが遅れたり、保証渡し（銀行保証状による貨物引き取り）を利用するといった問題が発生しますが、Waybillではこのようなことが起こりません。このため、余分な保険料、倉庫保管料、保証料金利などが節減できます。
Sea Waybillの短所
Sea Waybill のデメリットは有価証券ではないので、担保力がありません。よって、信用状で使用されることはほとんどありません。航海中に所有権を移転することによって物品を転売することもできません。転売しない貨物ではこの短所は関係ありません。
荷受人にとって、注意すべきことは、荷送人が運送品処分権を有するので、貨物が目的地に着いて、荷受人から運送品の引き渡し請求があるまでは、運送人へ通知することで荷受人を簡単に変更できるということに注意しておく必要があります。
Sea Waybillでの通関が認められない国も？
実際、SEAWAYBILLでの通関が認められない国もあります。中南米やアフリカなどで多く、その国のシステムでＢ／Ｌ原本を要している国がありますので、事前にチェックしておきましょう。