実務上のB/L約款が適用される場合

貿易実務において約款の条項が適用される場合は、上記のように不測の事態が起こった時です。

例えば、運送途中で貨物にダメージがあった時です。水濡れや破損、荷崩れなどです。
貨物のダメージについて、運送契約を結んでいるため、荷主は船会社に対しての損害賠償請求はもちろん可能です。しかし、B/Lの約款には、荷主に立証責任を課している条項が必ず記載があるため、どう処理するかが論点となります。

ダメージが見つかった場合は、船会社に対して引き渡し後3日以内に予備クレーム(Notice of Claim)を行わなければならないということもB/Lの約款に記載があります。その後、本クレーム(Final Claim)を行わならければなりません。日本では、引き渡し後、請求期限は1年以内となっています。

クレーム処理は国や船会社によって異なるため、運送契約を行う際はしっかりと把握して、適切に行う必要があります。クレームは船をブッキングした会社が行うため、実際には通常はフォワーダーを介してクレームを行われます。

また、船会社側が過失を認めた場合に請求できる金額についても、約款に記載があります。

ヘーグ・ヴィスビー・ルールでは、1梱包もしくは1単位あたり666.67SDRまたは総重量1kgにつき2SDRのいずれか高い方となっています。そのため、日本やヘーグ・ヴィスビー・ルールに批准している国のB/Lの約款には上記の金額がB/Lの約款に記載があります。

SDRとは国際通貨基金(IMF)が定めた特別引出権(Special Drawing Rights)のことです。具体的には2019年12月21日時点では151円/SDRです。

B/Lの約款は英文で細かく書かれていますが、基本的には国際条約に基づいて画一的な内容が記載されています。難しく考える必要はなく、運送会社との契約でどのような事項があるか、把握していれば問題はありません。

ONE:B/L約款

https://jp.one-line.com/ja/standard-page/b/l-terms

郵船ロジスティクス:約款

https://www.yusen-logistics.com/jp/japan/support-information/terms-and-conditions