海運貿易関連

B/LのConsignee(荷受人)欄に見られる「TO ORDER 」の意味

船

こんにちは!
海事代理士のらきてぃっちです

[本記事のターゲット]

  • B/LのConsignee(荷受人)欄に「TO ORDER」や「TO ORDER OF SHIPPER」と記載される、「指図式船荷証券について知ろう!いわゆるorder BLつまり、特注ですね。

船荷証券(B/L)には「指図式」と「記名式」があります。

船荷証券(B/L)には、荷受人(Consignee)欄が「TO ORDER」もしくは「TO ORDER OF SHIPPER」と記載されているものと、会社名など具体名(特定人)が記載されているものがあります。なんとか、EXPRESSとか○○商事とかね。

この2つのB/Lは、Consignee(荷受人)欄の記載が違うだけですが、それだけの違いで「指図式船荷証券(Order B/L)」、「指図式船荷証券(Straight B/L)」と別物になってしまうくらい、B/Lの“流通性”に譲渡できるか否かに大きな違いがあります。



今、現場ではこの手の”ORDER BL”ってあんまり見ないです。2%くらいですかね。こういうのは銀行に持ち込みするL/C決済と大きく関わっているので、ぶつかったときはより気合い入れて作成せざるを得ないですね。

荷受人Consigneeが「TO ORDER(指図で)」や「TO ORDER OF SHIPPER(荷送人[輸出者]の指図により)」となっている「指図式」B/Lは、輸出者の指図により、誰にでも貨物を譲渡できるつまり、流通性がありますが、特定の荷受人が記載されている「記名式」B/Lは、その特定の荷受人が譲渡しない限り、第三者に譲渡することはできない(=流通性がない)という点が違うのです。だいたいが、記名式ですけどね。

※「TO ORDER」と「TO ORDER OF SHIPPER」は、意味合いはほぼ同じで、実質的な差はないですが、信用状取引においては、L/C決済(letter of credit)では輸入者が指示している通りに記載する必要があります。「指図式船荷証券(Order B/L)」は、信用状(L/C)取引で用いられますよ。

どんな条件で「指図式」と「記名式」が用いられるか?

  • 「指図式」B/Lはどういうケースでも有効。
  • 「記名式」B/Lはどんなケースでも有効というわけではない

一般的に、記名式は信用状取引においては用いられず、輸出者と輸入者が直接書類を送付する取引の場合にのみ利用されます。(逆にいえば、信用状取引では、「指図式」B/Lしか成り立ちません。

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これは、B/Lが第三者に譲渡できる有価証券である(B/Lの裏書き※をした者が財産的価値のある貨物を引き換える権利を有する)ことと関係しています。

※書面の裏に署名することを「裏書き」といいます。(会社のハンコウ+担当者のサインであることが多い。)

信用状取引は、輸出者と輸入者のあいだに輸出地の銀行(買取銀行)、輸入地の銀行(信用状開設銀行)が入る貿易特有の取引です。

銀行もただ単に輸入者の支払いを保証しているのでありません。銀行は有価証券であるB/Lを担保にして、代金を立て替えています。

B/Lは他の船積書類とともに、輸出者 → 買取銀行 → 信用状開設銀行を経て、輸入者へと送られます。

B/Lを含む船積書類の記載内容などが信用状の内容通りであれば、買取銀行(および開設銀行)は輸出者の為替手形を買い取り、輸入者の支払いに先立って代金を支払います。

「指図式」B/Lは誰にでも譲渡できるB/Lですから、買取銀行がB/Lを所有しているときは貨物の所有権は買取銀行に、B/Lが開設銀行に渡れば開設銀行に、と単純に権利が移転されるため、信用状取引では「指図式」B/Lが用いられます。(「記名式」B/Lでは、Consignee [荷受人] が特定されているので、B/Lを所有しているからといって、必ずしも貨物の所有者とはならないのです。)

一般的な信用状開設依頼書には、あらかじめB/Lの作成方法を指定する内容が印刷されていることが多く、“BILLS OF LADING MADE OUT TO ORDER AND BLANK ENDORSED”は、その定番の文言です。

これは輸出者(荷送人)に対して、「B/Lは単純指図式(to order)で発行し、裏面に被裏書人について何も記載せずに輸出者は裏書人として単に署名する、という、いわゆる白地裏書(blank endorsement)を要求する」ということを表したもの。

※信用状開設依頼書を作成する際、TO ORDER OF SHIPPERの “OF SHIPPER” を書き込んで、文言を付け加えることも可能です。“TO ORDER” の単純指図式に対して、“TO ORDER OF SHIPPER” は荷送人(シッパー)指図式といいます。

そのため、通常の信用状取引では、輸出者は船会社に貨物の運送を依頼する際に、B/LのConsignee(荷受人)欄は「TO ORDER」にしてもらうよう依頼するのです。

※実際は、輸出者のフォワーダーが船会社との手続きを行うため、フォワーダーに連絡します。