こんばんは。海事代理士のらきてぃっちです。
今回は危険品についてです。これが海上輸送では危険物運ぶのは当然ながら申請から実際書類を集め、データを細かく作り、本当に厄介です。
コンテナ船などで輸送をする際に「危険物」として扱われるものをちょっと紹介します。
国連が危険物を定めている
「危険物」と聞くと?引火物、薬品、刃物などはありますが、書類みてると結構面白かったりしますが、一歩間違うと一大事になるくらい非常に重要なんですね。本当にこちらも携わりたくない??くらいです。危険品の輸出に携わると日々何かやらかしないか心配です。
貿易取引ではこのような危険物の輸送、売買も行われてますが、現在危険物の輸送について安全を確保するためのベースとなっているのが、国連の「危険物輸送に関する勧告」です。UNとCLASSやPACKING GROUP(容器等級等)しっかりと定めがあります。
危険物に4ケタ番号と、(国連番号/UN番号)、9つの危険物クラス(Hazard Class)がある
よくハザード(HAZARD)って呼びますが、レアルのアザールと同じ綴り。
輸送するときに使用すべき品名、危険物クラスごとに表示すべきラベル、輸送用容器に関する要件(容器の種類や材質)なども取り決められており、海上輸送の規則(IMDGコード)や航空輸送の規則(IATA)はこの勧告内容がベースになってます。
※もともと国や地域によって、何を危険物とするのか、取り扱いをどうするのか、という定義にはばらつきがあり、輸送手続きがうまく進まない、事故が起きるといった事態が発生しました。そのため、国連が国際的な統一ルール作成のために勧告を発した経緯があり、それが現在もベースとなっています。
意外と身近なモノも国際輸送時には「危険物」にあたる!?
現在は3,000以上もの物品が国連の定める危険物リストに挙げられているんですが、国連が分類する9つの危険物クラスとその具体例をざっと。
1.火薬類(Explosives)… 花火、発煙筒など
2.高圧ガス(Gases)… 燃料ガスボンベ、消化器、スプレー缶など
3.引火性液体類(Flammable liquids)… ガソリン、灯油、塗料など
4.可燃性物質類(Flammable solids; substance liable to spontaneous combustion; substances which, on contact with wter, emit flammable gases)… 活性炭、マッチ、硫黄など
5.酸化性物質(Oxidizing substances and organic peroxides)… 漂白剤、過酸化ソーダなど
6.毒物類(Toxic & infectious substances)… 殺虫剤、農薬など
7.放射性物質類(Radioactive material)… 核燃料物資など
8.腐食性物質(Corrosives substances)… 蓄電池、水銀、硫酸など
9.有害性物質(Miscellaneous dangerous goods substances and articles, including environmental hazardous substances)… リチウム電池、ドライアイス、磁石など
この一覧を見て、思いの外みなさんにとって身近なものも、国際輸送時には「危険物」とされるものがあると感じてます。変わったところでは、ガソリンを燃料にして走る自動車やバイクなども危険物(有害性物質)になります。ただ、このCLASS9のエンジン、日本では危険品扱いだけど、普通品扱いになる国もあります。あとは化粧品が塗料の一種で危険品扱いのCLASS 3になります。化粧品で危険物申請、書類提出、マニフェスト作成はたくさんありますよ。