こんばんは。海事代理士のらきてぃっちです。
今回は仕事柄、毎月4000件ほど作成しているB/L
「船荷証券(B/L)」について
らきてぃっちが、B/Lを初めてみたのは、クロアチアワインを輸入していた時でした。今でいう乙中、フォワーダーの方々に手配はしていただいてたのですが、B/Lがきたときに社長が自分にその(輸入側)B/Lをみせてくれた時の瞬間ははっきりと覚えています。なぜか、はっきり覚えているんですよね~。日本で見る書類とは違って、明らかにグローバル感が漂っていたのは、覚えています。また、自分が作成することになるとは思っていませんでした。
この類の記事を投稿するのもいいかなと思ったのは、長く仕事をしてくると、仕事に新鮮味を感じなくなるので、モチベーション維持のためにもちょっと記事にしていきたいと思っています。では、さっそく。
貿易実務では、“貨物”、“お金”、“紙(書類)”の流れを知ることが大事です。仕事をしていて、特に重要性を感じているのはやっぱり、貨物ですかね。なんせ、コンテナですから、トラブルを起こしたときに紙、金ならまだしも、貨物をやらかしてしますと全損、何千万という損失になってしまいます。「船荷(ふなに)証券(B/L)」は“カミ”にあたりますが、“貨物(モノ)”にも“金(カネ)”にも大きく関わる、貿易取引のなかでも重要な書類です。いや、まあ、貨物を補償する紙というわけですから、何気なく作ってしまっている毎日だったりしますが、書いていると重要性がわかってきて、今、こうして書いている事が自分への戒めにもなっていて、いいかもしれません。
「船荷証券(B/L)」って何?
船荷証券(Bill of Lading B/L)は、貿易における最重要船積書類のひとつで、船会社が輸出者の貨物を受け取ったときに発行される書類です。通常、「B/L(ビーエル)」と呼んでいます。
船荷証券(B/L)には、“貨物の引換券”なのですが、さまざまな顔を持つ書類です。抽象的な書類ではなく、貨物内容が具体的にはっきりと明示されているのが特徴です。
万が一、「船荷証券(B/L)」を紛失するようなことがあれば、その取引ができなくなるという“超重要書類”です。役割は下記4つ
- 有価証券:裏書きによって転売が可能になる
- 運送契約書:船会社と荷主の間での運送契約を示す
- 貨物受取証:船会社が貨物を受け取ったことを示す
- 貨物引取証:貨物の荷揚港で貨物を引き取るときに必要
船荷証券 B/Lの役割と流れ
B/Lを発行するのは、POL(積地)の船会社です。B/Lは、輸出者にとっては、“貨物受取証”になりますが、輸入者にとっては、“貨物引換証”になるというよくできたふたつの性質を持っていますが、それだけに超重要書類になります。
輸出者から輸入者へB/Lを渡すことは、貨物の所有権を移転させることになるので、船荷証券B/Lは、有価証券の役割(裏書によって所有権を譲渡) を果たし、書類を通して取引が成立します。
有価証券というと株式なんかありますね。有価証券はそれ自体にお金と同じ価値がありますが、譲渡することにより、その有価証券の持っている財産的権利を簡単に移転させることができるのが特徴です。「船荷証券(B/L)」もまた有価証券で、貨物の所有権を、輸出者から輸入者へ(時には、輸入者から他社へ)移転させて、売買しているのです。
「船荷証券(B/L)」記載内容
船会社によって書式は異なりますが、主要項目は、ほぼ共通の記載内容となっています。
- 荷送人(Shipper)※輸出者のこと
- 荷受人(Consignee)※輸入者のこと
- 着荷通知先(Notify Party)
- 荷受地(Place of receipt)YOKOHAMA CY,SENDAI CY etc
- 本船名(Ocean Vessel)
- 船積港(Port of Loading)
- 荷揚げ港(Port of Discharge)
- 荷渡し地(Place of Delivery)
- 最終仕向け地(Final Destination)港ではなく、内陸地等が記載されます。GUNMAとか
- 荷印(ケースマーク)
- 商品明細(Description of Goods)※品名、
- 数量、重量、コンテナの本数、荷姿など
- ocean freight prepaid(積地での運賃支払い地)
- ocen freight collect(揚地での運賃支払い地)
- B/Lの発行地場所と発行日(Place and Date of B/L issue)
- 運送人船会社のサイン(Signature)
輸出者も輸入者も、この記載内容のスペルミスなどの間違いに気付かないと「貨物は到着しているのに引き取ることができない…」という事態になりかねません。特にDESCRIPTIONのINVOICE,HS CODE等、揚げ地によって求められるものが増えてきているので、近年は書類作成も大変になっていますのが、細心の注意が必要です。貨物情報が間違っているのを訂正するとお金を揚げ地で請求されたりするので、これがまた、厄介です。その際に書類訂正だけでなく、コンテナの保管料など、危険品の場合は法廷で裁判になったりもしますので、思った以上のエグイ?部分も仕事ではあります。また、「船荷証券(B/L)」の修正は、輸出地の船会社だけが行えるため、輸入者サイドで間違いを見つけたときは、少し時間がかかります。
スムーズな貿易取引のためにも、輸出者、輸入者は「船荷証券(B/L)」を入手したら、じっくり内容を確認するようにしましょう。
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