こんばんは。海事代理士のらきてぃっちです。
レストランに勤めていた時はヨーロッパばかり意識していたのですが、海運関係の仕事に移ってからは、アジア、特に港を意識するようになりました。
日本の貿易相手国として共に発展していくアジア各国の主要港について紹介します。
アジアの主な港
■中国/上海港、天津港、広州港、青島(チンタオ)港、寧波(ニンボウ)港、大連(タイレン)港
世界の貿易港湾取扱貨物量ランキング上位10港のうち6港が中国の港。第1位は上海港。中国は世界の中でも断トツに人口が多い上(13億人以上、世界の人口の1/5といわれます)、この結果は当然なのかもしれませんが、あらためてそのマーケットの大きさを実感します。
■韓国/釜山(プサン)港
釜山(Busan)港もアジアを代表する港で、最近は日本に寄らずに釜山にいってしまう航路がかなり多いです。半島の先にあるという港としての立地の良さと、保税地域(関税自由地域)で事業を行う企業に対して法人税を減免するなど、官民一体になって港を発展させています。
■シンガポール/シンガポール港
シンガポール(Singapore)港は貿易港湾取扱貨物量第1位の上海港に次ぐ、アジア最大級のハブ港で、そこから南アフリカや中東、ヨーロッパへトランシップさせるケースがとても多いです!そんなに罰金が多いわけではないですが、危険品なんかは結構厳しく、荷物を下ろすさず、沿海を通過するだけで、申請が必要だったりします。1980年代後半から世界に先がけて港湾業務のITインフラ化を進め、ハブ港(海上運送の中継拠点となる港)として利便性の高い港づくりに力を入れ、港で取り扱う貨物の8割は周辺諸国への積み替え貨物だといわれていますぞ。
■マレーシア/ポートクラン港、タンジュンベラバス港
マレーシア最大の港、ポートケラン(ノースとウェストがあります)(Port Klang)港※は、マレーシアの首都、クアラルンプールより約40kmの場所にあります。貨物の取扱量も多く、また、最近は独自のシステムを導入して、HS CODEを求められ、システムで一括送信され、日本にあって、マレーシアにないHS CODEで物言いがついたり、有効でないHS CODEでトラブルになったり、課徴金も多く、シンガポールと同じくハブ港ながらかなり厄介な港?になってきています。
※現地の言葉では、ポートクランの「ク」の音が「ケ」という音に近いせいか、時にポートケラン(Port Kelang)と表記されることもありますが、英語の正式名称はPort Klangです。
■タイ/レムチャバン港、バンコク港
タイ最大の貿易港は、レムチャバン(Laem Chabang)港。タイの首都・バンコクの南東135kmに位置する港で、もともと国際港として発展してきたバンコク港の水深が浅く、近代化する国際輸送に対応しきれないことから1991年に開港しました。そこから、ラッカバンやSCTなどにも貨物を配給しており、より重要性が増していますよ。
■ベトナム/ホーチミン港、カイメップ・チーバイ港
ベトナムは、かつてフランスの植民地だったこともあり、サイゴン(現ホーチミン)の貿易港は古くから栄えましたが、ホーチミン(Ho Chi Minh)港は河口から約50km上流に位置する河川港。中古のマシナリーの輸出が増えており、急増する貨物量に対応するため、ホーチミン港も発展してますが、ホーチミンの南東60kmにあるカイメップ・チーバイ(Cai Mei-Thi Vai)港も代替港として、大型ターミナルを続々とオープンさせています。
■フィリピン/マニラ港、スービック港
大小複数の島から形成するフィリピン最大の国際貿易港は、ルソン島中西部に位置するマニラ港です。このマニラ港は大きな貿易港ですが、貨物がここに集中することから混雑緩和のために、マニラから北西110kmにあるスービック経済特別区内の港(スービック自由貿易港)に港ができて、スービック港は、貨物取扱量は徐々に増えています。
■インドネシア/タンジュンプリオク港、タンジュンペラク港
インドネシアは、もともと1万7500余りの島から成る国のため、国際輸送だけでなく、国内輸送においても海運が重要な役割を果たしている国です。しかし、アタッチシート禁止だったり、かなり融通がきかない港でトラブルを起こす最有力候補だったりします。インドネシア最大の貿易港は首都ジャカルタに近いタンジュンプリオク(Tanjung Priok)港で、第二の港湾がスラバヤにあるタンジュンペラク(Tanjung Perak)港。あとはSEMARANG(セマラン)なんかも貨物量多いです。