船の分類法
船という言葉から思い浮かべるイメージは人によってさまざまだが、厳密に船舶とは何かと定義しようとするとなかなか難しいです。実は、法律上船の明確な定義というものはなく、船舶法(1899年発布で、2005年に最終改正の法律。日本船の範囲、船籍などを定めたもの。)海上衝突予防法など、船に関するいくつかの法律でも、船の定義は微妙に異なります。
最低限の船とは?
これは、水に浮かび、自力で推進できるか否かに関わらず、移動でき、人や荷物を運ぶことができるというのが、条件です。なので、いかだや艀なんかも船の内に入れることはできます。
船の分類
では、この船はどんな感じで分類できるのでしょうか?もっとも、一般的な分類はその用途で分類することです。誰であっても、船にどのような種類があるかと聞かれれば、客船や貨物船、漁船などをあげるでしょう。これが最も基本的で、一般的な船の分類法であるといえます。これ以外の分類法はもっと特殊な分類になります。
例えば、船舶安全法では、船の航行区域は平水区域(川や湖、港湾内など)、沿岸区域(海岸から20海里以内、または特定の航路内)、近海区域、遠洋区域の4つの分けられ、そのどれを主な航行区域とするかによって船を分類します。
船の用途別分類の詳細
一般的な船の用途も、時代により、国よって事情は異なります。例えば、日本では、かつて船で連絡されていた海峡がトンネルや橋でつながり、鉄道連絡網は消滅して、かつての戦艦は海軍で除籍されて、残っていません。なので、護衛艦という艦種も日本独自のものです。海外では通常、巡洋艦や駆逐艦、フリゲートなどに分けられています。あるいはこれから先、原油タンカーという職種は消滅するかもしれず、代わりに水素タンカーが主流になってこようとしています。
船の種類
商船。人や船を運ぶ
- 客船に代表される、クルーズ船、定期客船、貨客船、鉄道連絡船
- 貨物船に代表される、定期船や不定期船
- コンテナ船
- タンカー、タンカーにも原油タンカー、LNG船、LPG船、プロダクトタンカー、ケミカルタンカーなどがあります。
- ばら積み船では、鉱石専用船、石炭専用船、木材チップ専用船、穀物運搬船
- 特殊貨物船では、冷凍貨物船、重量物運搬船、自動車専用船
- RORO船では、カーフェリー、RORO貨物船があります。
漁船(漁労する)
- 漁業船に代表されるトロール船、底引き網漁船、マグロ延縄漁船、カツオ釣漁船
- 漁業調査船や漁業練習船
作業船(各種作業をする)
タグ・ボート、補給船、施設船、クレーン船、石油掘削船
特殊船(観測・調査その他)
海洋調査団、砕氷船、気象観測船、練習船
艦艇(安全を守る・戦闘する)
護衛艦、潜水艦、巡視艦、輸送艦
プレジャーボート(レジャー用)
エンジン付きボート、ヨット、水上オートバイなどがあります。
次回はより詳細に船の種類を確認していきます。