Original B/L? Clean B/L ?いまさら聞けないB/Lの種類

B/Lの種類について

B/Lは運送区間、運送品の状態、書式、買取(流通性)などの観点から分類でき、分け方によっては20種類を超えます。しかし、それは一つのB/Lが分類の仕方によっていくつか呼び方を変えられるからです。長年仕事していても英語のB/Lの種類を後輩から聞かれて分からないときがあります。

例えば、ORIGINAL B/Lは同時にSHIPPED B/Lであり、OCEAN B/Lでもあり得ます。経験値から実務上重要なものを取り上げていきます。

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ORIGINAL B/LとCOPY B/L

OriginalとCopyはその内容は同じですが、、その性質は異なります。Originalは有価証券として買い取られ、流通していきます。だから、紛失したり記載事項に誤りがあると、事後の処理が大変になってしまいます。Copyは事後処理用であり、有価証券としての価値はありません。

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Straight B/LとOrder B/L

B/Lには法定記載事項として荷受人(consignee)が記入されますが、この荷受人が明記されたB/LをStraight B/L、またはConsigned B/L(記名式船荷証券)といい、これに対して、荷受人と特定せずに荷受人の欄に単に “to order”または”to order of Shipper”となっているものをOrder B/L(指図式船荷証券)といいます。記名式の場合、例えば、A社からB社に譲渡する場合、日本ではB/L上に譲渡禁止の記載がない限り、B/LにA社裏書(endorsement)があれば、譲渡が商法で認められています。(欧米では記名式B/Lの裏書譲渡を認められない)ただ、記名式B/Lをとりつけることはまれなケースなので、実際にはあまり行われていません。指図式のB/Lには荷送り人(荷主)の裏書が必要で、この裏書の表示に従って、日本でも欧米でも譲渡され、流通されていきます。

*裏書:B/Lの裏面に社名を記入して、責任者名を署名することです。その方法には、荷主が署名するだけで、譲渡先については白地裏書(blank endorsement)と譲渡先の社名を明記する記名式裏書(full endorsement)がある。

Shipped B/LとReceived B/L

運送品が本船に積み込まれたことが確認されて発行されるのが、Shipped B/L(船積み船荷証券)でOnboard B/Lともいいます。船積み前の運送品が船社に引き取られた時点で発行されるのが、Received B/L(受取船荷証券)。Received B/Lは船積み後、船社または代理店が”On boared notation”欄に船名、船積み日、署名を記入します。前者は在来貨物、後者はコンテナ貨物に利用されます。

Ocean B/LとThrough B/LとLocal B/L

Ocean B/Lは船積み港から荷揚げ港までの海上輸送部分に対して、Though B/L(通し船荷証券)は船積み港、荷揚げ港に加えて、最終仕向け地までが記載されます。最終仕向け地までの輸送途中で、輸送モードが鉄道やトラックにかわっても全区間にわたって責任を引き受けたことを示します。運送途中で運送品を接続した第2、第3の運送人は、第一の運送人(B/L発行者)に自分の区間だけの責任を負うが、この際に発行するB/LをLocal B/Lといいます。

Clean B/LとFoul B/L

運送品が外観上良好な状態で船社に引き渡され、欠陥の摘要(remarks)が記載されていないB/LをClean B/L(無故障証券)といいます。一方で”One carton Short”あるいは”Three cartons wet before loading”などの故障リマークがあるものをFoul B/Lといいます。

Long Form B/LとShort Form B/L

一般的に使われているB/Lのように裏面に約款が印刷しているものがLong Form B/L。約款を省略して、裏面が空白になっているものがShort Form B/Lです。

また最近ではブロックチェーンを使ったB/Lの話もあります。
ブロックチェーン活用したB/Lのペーパーレス化はコスト削減、迅速なやり取り、エラーのない文書交換と記録など、現在のオリジナルB/Lの問題点を一気に解消できます。一方で、ブロックチェーンを使った貿易への参加者を増やしていかなければならないという問題点もあります。

ブロックチェーンの根本は分散型台帳です。取引履歴の記録が残り、改ざんできないことが大きな特徴ですが、その関係者が分散型台帳の仕組みに参加することが必須条件になります。貿易取引では関係者が多いことから、電子化されたBLの導入には船会社や他の貿易関係者の参加はもちろん、通関でも必要となるため、各国税関の対応も重要です。こうした参加者を増やすことが今後の課題となるでしょう。