トン税って何?
外国船が日本の港に入港するときには、税金を納める必要があります。これを「トン税」といいます。とん税の納税義務者は、原則的には外国貿易船の船長であるが、税関長の承認を受けた場合には、代行者や運航者が納税義務者となることもできます。
例えば、横浜にはいくつかのターミナルがあります。中国、韓国、東南アジア(マレーシア、シンガポール、台湾)などのコンテナ船が入港してきます。横浜を管轄するのは当然、横浜税関です。船長は横浜税関に対して、トン税を納めます。
とん税と特別とん税の違い
とん税は外国船が日本の港に入港するときの税金です。とん税法に基づきこのトン税は「船のトン数」によって決まります。
例えば、とん税が1トンあたり30円。船のトン数が1000トンのときは、30×1000=30000円がトン税です。また、とん税と特別とん税の2つがあります。この内、特別トン税は、開港がある市区町村に譲渡されます。
開港って、あらためて
税関長が定める港のことです。開港一覧は、関税法施行令に記載されています。税関の資料によると、開港は日本に80ほどあるため、130億ほどあるとん税を割ると2億円くらい港がある場所にはお金が入ってきます。横浜なんかは入港数が多いので、平均よりかなり多いと思いますが、それでも、財政難ですが。
船舶のトン数の基準は?
とん税の課税は、船の純トン数を基準に計算されます。この純トン数は、国際トン数証明書等に記載されている数値で、税関によって決められています。
とん税=とん税+特別とん税
特別とん税は、市町村に分配されますので、横浜港であれば、一部が横浜市に分配されます。
とん税は、船の純トン数に対して、料率をかけて計算します。都度払いとは、入港の度に支払う料金。1年払い(都度払い三回分)とは、文字通1年間分あれば、まとめて支払います。
例えば、船のトン数が10000トンかつ、都度払いであれば、支払うトン税は、36×10000トン=3600000円です。国際船、巨大な船たくさんありますが、これで日本のいろいろな港に停泊するととん税だけでずいぶんは支払いになりますね。
支払い方法 | 税金 |
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都度払い | 36円/トン(とん税16円+特別とん税20円) |
1年払い | 108円/トン(どん税48円+特別とん税60円) |
とん税の免除条件
原則的に日本に入港する外国船は、トン税を支払う必要がありますが、「やむを得ない理由」がある時は、とん税の納付は免除されます。この条件は「一時入港」がポイントです。台風19号が日本に上陸した時などでこのようなケースはありましたね。
(1)暴風雨、濃霧の災害が予想される場合において、これを回避するためのみの目的で一時入港したとき
(2)暴風、濃霧等の災害を回避するため航路を迂回した場合等予期し得ない事情により船用品が欠乏し、それを補給するたけのみの目的で一時入港した場合
(3)積荷の荷崩れを直し又はいかだの結索具等を締め直すためのみの目的で一時入港した場合
(4)航行中に発生した急病患者、航行中に救助した避難者、航行中船内において発見された密航者を下船させるためのみの目的で一時入港した場合
とん税と国際展開
海運会社は、過当の競争により、2020年はいまのところあまりいい話を聞きませんが、全体的に収益が減少しているのは確かです。例えば、神戸はひと昔前はアジアトップクラスの港でしたが、阪神淡路大震災をきっかけに、一気に劣勢に立たされ始めました。日本の役人は既得権益にしがみつかずに、十年先、百年先を考えて政策を行っていただきたいです。