貨物コンテナ輸送の需要は、パンデミックにもかかわらず、いや、このパンデミックのために、約6か月間急増しています。貨物料金や船主の利益についても同じことが言えます。
「第3四半期以降、コンテナ輸送の需要は比類のない増加を見せていると」とハパックロイド社が語っていましたが、12年間の景気低迷とパンデミックの発生後の、予想外の結果で、船会社からすると大当たりといえるかもしれません。
この状況で海運業界がこんなになってしまうとは思いませんでしたね。
中国の生産が停止したため、2020年1月と2月に出荷が大きな打撃を受け、アジアへの輸出も停止しました。しかしその後、事態は一変し、需要は米国、ヨーロッパ、南アメリカで急降下したと彼は回想した。中国の生産は再開されたが、輸送活動はそれほど多くなかった。この業界は、それが数週間あるいは数ヶ月もこのままであると6月くらいは思ったものですが…
都市封鎖がバブルを引き起こす
コンテナ輸送の需要が大幅に増加し、供給能力を超えた8月に事態は再び好転しました。このバブルは都市封鎖によっても引き起こされており、より多くの人々が自宅で仕事をし、旅行やサービスに費やす費用が少なくなっています。その結果、多くの人がお金を節約するのではなく、新しい家具、家電製品、スポーツ用品、自転車に投資しています。さらに、大企業やトレーダーは再び倉庫を買いだめしています。
船会社は、コンテナ輸送の需要の増加に遅れずについていくことができなくなりました。多くの船主は、過去数年間に多くの古い船を廃棄しましたが、船主もまた、新しい船を注文することを躊躇しています。
現時点での最大の懸念は、市場に予備の船がないことです。現在、船をチャーターすることは不可能であると付け加えました。コンテナを運ぶことができ、修理作業のために造船所にいないすべての船が使用されており、予備のコンテナもありません。
輸送の遅れが不足を助長する
船の不足だけが問題ではありません。巨大な需要とパンデミックは、港と内陸行きの輸送中に大規模な混乱を引き起こしました。たとえばロサンゼルスでは、船は入港を許可されるまでに約10日間待たなければなりません。封鎖措置と病欠によるスタッフの不足は状況を悪化させ、パンデミックにより乗組員全員が検疫に隔離されることがあります。
スケジュール通りに交代できない船員はまだ40万人いる
空のコンテナは、港、運河、および内陸輸送中の遅延のために通常よりもはるかに長く海上におきざりになっているため、真のネックです。1月だけでも、ハパックロイドの船は最も頻繁な極東ルートで平均170時間遅れました。太平洋横断ルートでは、遅延は平均で最大250時間になります。
高い貨物料金、高い利益
需要が高いために貨物料金が高騰し、長期契約を結んでいる人が有利になりました。ブームが始まる前に契約が成立して業者はかなりラッキーでしたね。
しかし、急な需要でより多くの輸送が必要になってしまった人は、多額の資金を払い出すことを余儀なくされます。彼らの製品が出荷されれば幸運ともいえる事態です。今は、急な需要でブッキングして、出荷するのはほぼ不可能となっています。
特に中国からの輸送に関して、貨物料金は現在、1年前の最大4倍になっています。ハパックロイドの平均貨物料金は2019年に4％上昇したという。
ドイツ最大のコンテナ船会社であるハパックロイドは、2020年は皮肉にも良い年だったといえます。今年、同社はさらに利益が急増すると予想しています。第1四半期は、前年同期の1億6,000万ユーロに対し、少なくとも12億5,000万ユーロ（12.5億ドル）の利息および税引前利益（Ebit）で終了する可能性があります。
世界最大のコンテナ船会社であるマースクは、昨年の第4四半期に27億1,000万ドルの調整後営業利益を記録しました。デンマークの会社はまた、2021年に収益がさらに増加すると予想しています。
現在、中国から米国とヨーロッパに向かう船がいっぱいあります。3月と4月に需要がなくなることはないと考えています。しかし、このバブルは一年も続かないかもしれないと警告した。海運業界は非常に不安定です。過去数年から数十年の間に多くの浮き沈みが見られました。
ハパックロイドはクリスマス直前に6隻の新しいコンテナ船を注文しましたが、これらの船は2023年にしか投入されないため、購入しても現在のバブルを吸い取ることができません。
2023年となってしまえば、確かにこのバブルは終焉している可能性もあるので、一過性とは言え、だいぶ長引くことは予想されますが、固定資産はあまり増やせないという状況でしょう。