クロアチアワインのトラミナッツが英国王室の結婚式でも出されていた

トラミナッツ

こんばんは。ソムリエのらきてぃっちです。

昨年、世界で最も注目を集めたロイヤル・カップルといえば、イギリスのハリー王子とアメリカ女優のミーガン・マークルさん。

このロイヤルカップル、65 年前、エリザベス女王の戴冠式でも提供されたクロアチアワイン、イロチュキ・ポドゥルミ(Iločki Podrumi)のトラミナッツ(Traminac)が結婚式で出されました。

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クロアチア最東端にあるワイナリー、イロチュキ・ポドゥルミ

イロチュキ・ポドゥルミ(Iločki Podrumi)があるのはクロアチア最東端の街、イロク(Ilok)。ロチュキ・ポドゥルミは「イロクにあるセラー(貯蔵庫)」を意味します。その名の通り、大きなワインセラーを持つ生産者です。

今も、実はボトル持っているんですが、限りなく、セルビアやハンガリーに近い内陸地の実力あるワインです。アドリア海ばかりクローズアップされますが、内陸もいいもの持ってます。

トラミナッツ

イロクはドナウ川流域にあるんです。クロアチアの隣町に接する西側を除き、三方向をセルビア領に囲まれています。2000 年ほど前から、ブドウを栽培していた痕跡があります。

ローマ皇帝、マルクス・アウレリウス・プロブス帝(276 〜 282 年)が、イロクの土壌がワイン造りに最適であることを確認。「高貴な品種のブドウ」を栽培するためのヴィンヤードを作らせた、というものだとか。2000年前のクロアチアってどんなんでしょうね!?

大規模なワイン生産が始まったのは中世で、1450 年には、当時の城主が城の地下に 100m もの規模のワインセラーを作ったと言われています。今のイロクのワインの名声の基礎となったのが、1710 年、オデスカルキ家による、新しいブドウ品種の導入、そしてシングルヴィンヤードでのワイン生産の開始です。

この時持ち込まれたのは、あの、らきてぃっちも大好きなゲヴュルツトラミネール!

さて、ライチともバラとも称される、華やかで特徴的なアロマで、フランスのアルザス、ドイツで人気が高いゲヴュルツトラミネール。このブドウ、クロアチア語では、トラミナッツ(Traminac)と言います。

そう、これこそが、冒頭で出てきた、エリザベス女王にゆかりのある、ハリー王子とミーガンさんが結婚式のために所望している、例のワイン(ブドウ品種)なのです。

イロクのゲヴュルツトラミネール、もといトラミナッツは、ローマ時代すでに「高貴なブドウの栽培に最適」と言われたテロワールのおかげか、香りの華やかさ、セミドライでキレのある爽やかさ、後をひく心地よい甘み、いずれも個性が立っていてとても美味しい。間違いなく、クロアチアの大陸系ワインの代表格です。

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エリザベス女王とトラミナッツ

このイロチュキ・ポドゥルミのトラミナッツ、イギリスのエリザベス女王の戴冠式で提供されたことで、クロアチアでは広く知られています。

エリザベス女王の戴冠は 1953 年のこと。どういう経緯だったのかはわかりませんが、この時供された白ワインのうちの一つがイロチュキ・ポドゥルミのトラミナッツ(1947 年のもの)。この時お買上げされたワイン、なんと、11,000 本…

ハリー王子とミーガンさんの結婚式には、2015 年ものが提供されました。エリザベス女王戴冠ゆかりの 1947 年ものは、現在 1 本約 10 万円くらいで取引されているようです。

イロチュキ・ポドゥルミによると、2015 年は非常にできがよく、今回提供するワインは、世界最大のワインコンテストの 1 つ、イギリスの「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(DWWA)」2016 年度のプラチナ・メダル受賞の傑作、今、2017飲んでますけど、これもうまいですよ!

ちなみに、ウィリアム王子とケンブリッジ公爵夫人ケイトさんの結婚式の際も、イロチュキ・ポドゥルミからお二人にトラミナッツが贈呈されました。それだけでなく、チャールズ皇太子とカミラ夫人がクロアチアを訪問された際にも、お食事のお供として提供されたとか。

「エリザベス女王とゆかりが深い」というより、もう、英国王室御用達のクロアチアワイン、と言っていいレベルであるような気がします。

日本で買えるイロチュキ・ポドゥルミのワイン

セレクテッドはお手頃価格で楽しめて、かつ、イロチュキ・ポドゥルミのトラミナッツらしい香りや後味もちゃんと楽しめるので、けっこう良いチョイス。出品のお値段もこちらは良心的です。自分はいつも関内の葡萄屋で買ってます。クロアチアってだけでなく、単純にワインをしてもおススメですよ。