クロアチア料理の”おせち”伝統のロールキャベツ”サルマ

サルマ

こんばんは、ソムリエのらきてぃっちです。
今日は、クロアチアのおせち料理を紹介します。クロアチアの伝統的な料理ですが、アドリア海ではなく内陸で食することが多いので、クロアチア旅行では意外をお目にかからないこともあると思います。さっそくいってみましょう。

クロアチア風ロールキャベツ”サルマ”を紹介します。

サルマの語源は”巻いたもの”という意味です。ロールキャベツというと日本人はシベリアのロールキャベツなんかを思い浮かべるかもしれませんが、クロアチアのロールキャベツには日本人に馴染みの深いお米が入ります。また、酸味のあるキャベツを使用することにより、コクのある一風違った味に仕上がります。

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キャベツの方に秘密がある。

生の葉をそのまま使うのではなく、じっくり塩漬けにした、いわば欧風の「つけもの」になっている。わずかに発酵もしていて、酸味とうまみがある。ただ、しょっぱい。ロールキャベツもそのまま食べるとちょっと味が濃いかもしれないです。もし、余裕があれば、生クリームとジャガイモを混ぜて、マッシュポテトを添えてみると酸味と甘みのバランスがとれて美味しいです。自分はむしろ、この発酵キャベツに慣れてきてしまって混ぜずに食べていました。また、発酵したキャベツをお米が独特の旨みをもたらします。日本人ならわかる侘び寂びを感じる味わいです。ザワークラウトで代用できなくもないです。これで作ってもほぼ同じ味わいになりました。

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クロアチア風ロールキャベツ”サルマ”の作り方

【 材料 】 15個分
・玉ねぎ 1個 (みじん切り)
・ にんにく 1片(みじん切り)
・挽き肉 200g(牛肉か合挽き)
・米 カップ半分強
・トマトペースト 150ml
※ホールトマトを潰したものでも可
・ザーチン 小さじ 2~2.5杯
・赤パプリカ粉(辛・マイルド)各 小さじ1
塩・こしょう・乾燥パセリ 少量
・発酵キャべツ又はザワークラウト 1個
・水 適量塩・こしょう・乾燥パセリ 少量
・塩津家 1個
・水 適量

作り方】

  1. 発酵キャベツは、一枚ずつ葉を剥がして被る位の水に漬け、時々水を替えながら15分~1時間置く (*1)
  2. 玉ねぎとにんにくを炒める。玉ねぎに火が通ったら挽き肉を加えて炒め、米、ザーチン、パプリカ粉、乾燥パセリを加えて混ぜ軽く塩・こしょうを振る
  3. キャベツは根元から5センチくらいの所から芯を平行に削ぐ(巻きやすくするため)
  4. 鍋に薄く油を敷いておく。 2をロールキャベツと同じように巻き鍋に並べて入れる
  5. 巻き終わりは爪楊枝などで留める必要はない
  6. トマトペーストを入れ、被るくらいに水を足して強火→弱火で1時間強煮る。
    途中で水が少なくなるので足しながら煮る。 途中でスープの味見をして薄いようなら塩を少し足す。
    (*1) キャベツの塩気を少なくするためですが、塩分濃度によっては洗い流すほどで良い場合もあります。キャベツを食べてみて、少し塩分が強いな、という所で水から出してください。


余談ですが、ロールキャベツの発祥はトルコで、トルコだと、
”ドルマ”といって、巻いたものという意味です。

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ブドウの葉にお米を包んで作る一種の精進料理のような感じです。個人的にはこのドルマはいなりすしのルーツだと思っています。
元々トルコのイズミール地区がアジア発祥の地で、陽の出ずる場所(ライジングサン)という意味です。日本もライジングサンなので、時代や民族の流れの中で、今のJAPANがライジングサンになったのだと思います。

いなり寿司、恵方巻きにしても、サルマやドルマにしても、こういった巻物って、ある種の願いや想いを込める一種のお供えものとする考えが、人類共通のものなのかなと思います。これは料理から観る文化人類学的な確信です。